膝に水が溜まる症状について

膝が腫れぼったい、曲げ伸ばしがしにくい、膝のまわりがパンパンに張っている。こうした症状は、膝関節の中に水(関節液)が過剰に溜まっているサインかもしれません。
「膝の水を抜くと癖になる」という話を耳にされた方もおられるかもしれませんが、これは誤解です。水が溜まるのは関節内で炎症が起きている結果であり、水を抜くこと自体が原因ではありません。大切なのは、なぜ水が溜まっているのか、その原因を突き止めることです。
大阪市北区・梅田のほしやま整形外科医院では、MRIやエコーを用いて膝の内部の状態を詳しく確認して、水が溜まる原因に合わせた治療をご提案しています。
こんな症状はありませんか?
- 膝全体が腫れて熱を持っている
- 膝の曲げ伸ばしがしにくくなった
- 膝のお皿のまわりがぶよぶよする
- 正座やしゃがみ込みがつらくなった
- 膝に水が溜まっていると言われたことがある
- 水を抜いてもすぐにまた溜まってしまう
膝に水が溜まる原因
関節内の炎症
膝関節の中には「滑膜」という薄い膜があり、関節液を分泌して膝の動きを滑らかに保っています。何らかの原因で滑膜に炎症が起きると、関節液が過剰に作られて膝に水が溜まります。炎症が続く限り水は繰り返し溜まるため、炎症そのものへの治療が重要です。
軟骨や半月板の損傷
軟骨がすり減ったり半月板に傷が入ったりすると、関節内に微細な組織片が生じて炎症を引き起こすことがあります。これによって滑膜が刺激されて、水が溜まる原因となります。
感染や免疫の異常
頻度は高くありませんが、細菌が関節内に入り込んで感染性関節炎を起こした場合にも、急激に水が溜まることがあります。発熱や強い痛み、膝の著しい腫れを伴う場合は緊急性がありますので、速やかに受診してください。また、関節リウマチのように免疫の異常によって慢性的に水が溜まるケースもあります。
考えられる病気
変形性膝関節症
膝に水が溜まる原因として最も多い疾患です。軟骨のすり減りに伴って関節内に炎症が起きて、関節液の過剰な産生につながります。水を抜いてもすぐに溜まるという場合は、変形性膝関節症が進行しているサインであることがあります。
関節リウマチ
免疫の異常によって滑膜に炎症が起こり、関節液が過剰に溜まります。膝以外の関節にも腫れやこわばりが現れる場合や、朝のこわばりが30分以上続く場合は、リウマチの可能性が考えられます。
半月板損傷
半月板に損傷があると、関節内の摩擦や刺激によって炎症が起きて、水が溜まることがあります。膝の引っかかり感やロッキング(急に膝が動かなくなる状態)を伴う場合は、半月板損傷が疑われます。
ベーカー嚢腫
膝の裏側に膨らみができる疾患で、関節内に溜まった水が膝の後方に押し出されて嚢腫を形成します。変形性膝関節症や関節リウマチに合併して見られることが多い疾患です。
膝に水が溜まっている時の検査
関節穿刺(関節液の検査)
注射器で関節内の水を抜き取って、その色や透明度、成分を調べます。関節液の性状から、炎症の種類(変性・感染・免疫異常など)を判別する手がかりが得られます。関節穿刺は検査と治療を兼ねており、水を抜くことで膝の腫れや痛みが軽減されることもあります。
エコー検査
膝に溜まっている水の量や位置をその場で確認できます。滑膜の厚みや炎症の程度もリアルタイムに評価できるため、症状の初期判断に役立ちます。
MRI検査(近隣の画像診断クリニックで実施)
滑膜炎の広がりや骨髄浮腫の有無など、エコーやレントゲンでは把握しにくい情報を詳細に確認できます。水が溜まっている原因疾患を特定して治療方針を判断する上で欠かせない検査です。
膝に水が溜まっている時の治療
膝の水を抜くだけでは根本的な解決にはなりません。水が溜まる原因となっている炎症や疾患への対応が重要です。当院では、MRIの結果を踏まえて原因に合わせた治療を組み立てています。
薬物療法・注射
炎症を抑えるために、内服薬や湿布を使用します。関節内の炎症が強い場合には、ステロイド注射で炎症を鎮めたり、ヒアルロン酸注射で関節の潤滑を改善したりする対応を行います。
リハビリテーション
膝まわりの筋力を強化して関節の安定性を高めることは、炎症の再発を防ぐ上でも大切です。当院の理学療法士が、腫れの状態に配慮しながら段階的にリハビリテーションを進めていきます。
再生医療(PRP療法)
関節内の炎症が慢性的に続いている場合には、ご自身の血液から抽出した成分で炎症を抑える再生医療も選択肢となります。MRIで骨髄浮腫が認められる場合には、まず再生医療とリハビリテーションを優先した上で、次の治療ステップを検討していきます。
ラジオ波治療(Coolief:クーリーフ)
変形性膝関節症による慢性的な痛みが正座の妨げになっている場合には、クーリーフで痛みの軽減を図った上でリハビリに取り組むという進め方もあります。ただし、骨髄浮腫がある段階ではクーリーフの効果が得られにくいことがあるため、検査結果をもとに適切な順序で治療を組み立てます。