膝の裏側の痛み・違和感について

膝の裏側に鈍い痛みがある、何かが詰まっているような違和感がある、膝を伸ばしきった時につっぱる感じがする。膝の裏側(膝窩部)は、血管・神経・筋肉・腱が集中する複雑な構造をしており、痛みや違和感の原因も多岐にわたります。
膝の前側や内側の痛みに比べると、裏側の症状は見落とされやすい傾向があります。しかし、中にはベーカー嚢腫のような膝関節の病気だけではなく、血管の病気(深部静脈血栓症)が隠れているケースもあり、注意が必要です。
大阪市北区・梅田のほしやま整形外科医院では、エコーやMRIを用いて膝の裏側の状態を詳しく確認して、痛みの原因に合った対応を行っています。膝裏の症状が気になる方は、お気軽にご相談ください。
こんな症状はありませんか?
- 膝の裏側に鈍い痛みや重だるさがある
- 膝を完全に伸ばすと裏側がつっぱる
- 膝の裏にぷっくりとした腫れや膨らみがある
- 正座やしゃがみ込みで膝裏が圧迫されるように痛む
- 長時間歩いた後に膝裏がジンジンする
- ふくらはぎにまで痛みや違和感が広がっている
膝の裏側が痛む原因
嚢腫(のうしゅ)の形成
膝関節内に溜まった関節液が後方に押し出されて、膝の裏側に袋状の膨らみ(嚢腫)を形成することがあります。この状態をベーカー嚢腫と呼びます。嚢腫が大きくなると周囲の組織を圧迫して、膝裏の痛みや違和感、膝の曲げ伸ばしのしにくさを引き起こします。
膝窩部の筋肉・腱の問題
膝の裏側には膝窩筋や腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の付着部があり、これらに炎症や緊張が起こると痛みが生じます。ランニングやウォーキングの後に膝裏が痛む場合は、筋肉・腱の使いすぎ(オーバーユース)が原因であることがあります。
靭帯の損傷
膝の後方の安定性を担う後十字靭帯が損傷すると、膝裏に痛みや不安定感が出ることがあります。交通事故やスポーツでの衝撃で膝の前面を強くぶつけた場合に受傷することがあります。
血管の病気(注意が必要)
ふくらはぎの腫れや熱感を伴う膝裏の痛みの場合、深部静脈血栓症(DVT)の可能性を考慮する必要があります。足の静脈に血栓(血の塊)ができる病気で、血栓が肺に飛ぶと肺塞栓症という命に関わる状態を引き起こすことがあります。ふくらはぎが急に腫れて痛む場合は、速やかに医療機関を受診してください。
考えられる病気
ベーカー嚢腫
膝の裏側にできる嚢腫で、変形性膝関節症や関節リウマチに合併して見られることが多い疾患です。嚢腫そのものの治療だけではなく、関節液が溜まる原因となっている膝関節の病気への対応が重要です。稀に嚢腫が破裂して、ふくらはぎに急激な痛みと腫れが広がることもあります。
後十字靭帯(PCL)損傷
膝の後方を支える靭帯の損傷です。坂道を下る時や階段を下りる時に膝裏の不安定感や痛みが出ることがあります。前十字靭帯と比較して保存療法で対応できるケースが多い靭帯です。
変形性膝関節症
変形性膝関節症が進行して関節内に炎症が続くと、関節液の過剰産生によってベーカー嚢腫を合併したり、関節包の後方に負担がかかって膝裏の痛みが出たりすることがあります。
関節リウマチ
関節リウマチによる滑膜炎が持続すると、関節液の貯留やベーカー嚢腫の形成を招いて膝裏に症状が現れることがあります。
膝の裏側の痛みの検査
エコー検査
膝裏の痛みの評価において、エコー検査は特に有用です。ベーカー嚢腫の有無・大きさ・位置をその場で確認できるほか、関節内の水の貯留や滑膜の炎症の程度もリアルタイムに評価できます。血管の状態も確認できるため、深部静脈血栓症の疑いがある場合の初期評価にも活用しています。
レントゲン検査
骨の変形や関節の状態を確認します。膝裏の痛みの背景に変形性膝関節症がないかを評価する際に用います。
MRI検査(近隣の画像診断クリニックで実施)
後十字靭帯の損傷の有無、ベーカー嚢腫と周辺組織の関係、膝窩部の筋腱の状態を詳細に確認できます。エコーでは判断が難しいケースや、靭帯損傷が疑われる場合にはMRIでの精密な評価が欠かせません。
膝の裏側の痛みの治療
膝裏の痛みの治療は、原因に応じて異なります。特にベーカー嚢腫の場合は、嚢腫自体への対処だけではなく、膝関節の原疾患の治療が重要です。
リハビリテーション
膝窩部の筋肉や腱の柔軟性を回復させるストレッチ、膝まわりの筋力強化を行います。ベーカー嚢腫の場合も、膝関節全体の状態を改善させることが再発の予防につながります。
薬物療法・注射
炎症が原因の場合は内服薬や湿布で症状を和らげます。ベーカー嚢腫に対しては穿刺で中の液体を吸引し、あわせてステロイド注射で炎症を抑える処置を行うこともあります。
再生医療(PRP療法)
膝関節内の慢性的な炎症がベーカー嚢腫の原因となっている場合には、再生医療で炎症を抑えるアプローチも効果的です。原疾患の改善を図ることで、嚢腫の再発リスクの低減にもつながります。
手術が必要な場合
保存療法で改善が見られない大きなベーカー嚢腫や、後十字靭帯の重度の損傷など、手術が必要と判断した場合は連携する基幹病院へご紹介しています。術後のリハビリは当院で対応可能です。