立ち上がる時の膝の痛みについて

椅子から立ち上がる時や、床から起き上がる時に膝が痛む。こうした「動き始めの痛み」は、膝関節のトラブルを示す初期のサインであることが少なくありません。
歩き始めると痛みが和らぐことが多いため、「まだ大丈夫」「年齢のせいだろう」と様子を見てしまう方もおられます。しかし、この段階で適切に対処することで、症状の進行を防げる可能性があります。
痛みの原因は軟骨のすり減りだけとは限りません。大阪市北区・梅田のほしやま整形外科医院では、膝関節を専門とする院長が原因を丁寧に調べた上で治療方針をご提案しています。気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。
こんな症状はありませんか?
- 椅子やソファから立ち上がる時に膝が痛む
- 座った姿勢から動き出す瞬間に膝がこわばる
- 正座や床から立ち上がる時に痛みが走る
- 歩き始めると痛みが和らいでいく
- 朝起きた時に膝が動かしにくい
- 長く座った後に立つと膝に違和感がある
立ち上がる時に膝が痛む原因
関節軟骨の変化
膝関節の表面を覆っている軟骨がすり減ると、骨同士の摩擦が大きくなり、動き始めに痛みが生じやすくなります。特に体重がかかる瞬間に負荷が集中するため、立ち上がる動作で痛みを感じるケースが多く見られます。
関節内の炎症
関節の内部で炎症が起きると、関節液が増えたり滑膜が腫れたりして、動き出しに痛みやこわばりが生じることがあります。安静時には症状が落ち着いていても、動作の開始時に痛みが出るのが特徴です。
筋力の低下
膝を支える太ももの筋肉(大腿四頭筋)が弱くなると、立ち上がる時に膝関節への負担が大きくなります。加齢や運動不足によって筋力が低下すると、膝を安定させる力が不足して痛みにつながることがあります。
考えられる病気
変形性膝関節症
立ち上がり時の痛みで最も多い原因です。関節軟骨がすり減ることで骨同士が擦れ合い、痛みや変形が進行していきます。初期には動き始めの痛みが中心ですが、進行すると階段の上り下りや歩行時にも痛みが現れるようになります。
半月板損傷
膝のクッションの役割を果たす半月板が傷つくと、立ち上がりや膝をひねる動作で痛みが出ることがあります。スポーツ中の外傷だけではなく、加齢による変性で損傷が起こる場合もあります。
関節リウマチ
免疫の異常によって関節に炎症が起こる疾患です。朝のこわばりが長く続く場合や、膝以外の関節にも症状がある場合は、リウマチの可能性も考えられます。早期の診断と治療開始が重要です。
立ち上がる時の膝の痛みの検査
レントゲン検査
骨や関節の形態、変形の有無や程度を確認します。変形性膝関節症の進行度(グレード分類)を評価する際の基本となる検査です。
MRI検査(近隣の画像診断クリニックで実施)
レントゲンでは確認しにくい靭帯・半月板の損傷、骨の中の炎症(骨髄浮腫)、関節内の滑膜炎といった詳細な情報を把握できます。痛みの原因を正確に突き止めた上で、治療方針を決定いたします。
エコー検査
関節内の炎症や筋肉・靭帯の状態をその場でリアルタイムに確認できる検査です。被ばくがないため繰り返し行うことができ、経過観察にも役立ちます。
立ち上がる時の膝の痛みの治療
当院では検査結果をもとに、下記のような治療をどの順序で組み合わせるかを患者様と相談しながら決めていきます。「立ち上がる時だけだから」と放置せず、気になる段階で一度ご相談ください。
リハビリテーション
初期の段階であれば、筋力強化やストレッチを中心としたリハビリテーションで改善が見込めるケースも多くあります。当院では理学療法士が手技を中心に、お一人おひとりの状態に合わせたプログラムで対応しています。
薬物療法・注射
痛みが強い場合や炎症が認められる場合には、内服薬や湿布による対症療法に加えて、ヒアルロン酸注射やステロイド注射を検討します。注射は炎症を抑えたり関節内の潤滑を改善したりする目的で使用します。
再生医療(PRP療法)
ご自身の血液から抽出した成分を膝関節に注入して、損傷した組織の修復や炎症の抑制を促す治療です。当院ではPFC-FDによるバイオセラピー、GPSⅢ、APSの3種類をご用意しており、病態に応じて使い分けています。
ラジオ波治療(Coolief:クーリーフ)
変形性膝関節症と診断されて、慢性的な痛みが続いている場合には、痛みを伝える神経にラジオ波を当てて痛みの伝わり方を変えるクーリーフも検討します。