お子様の膝の痛みについて

お子様が「膝が痛い」と訴えた時、「成長痛だからそのうち治る」と考える親御様は少なくありません。確かに成長期に伴う一時的な痛みであることも多いのですが、中にはスポーツ障害や骨・軟骨の病気が隠れているケースもあります。
特にスポーツをしているお子様の場合、練習を休みたくないという気持ちから痛みを我慢して、受診が遅れてしまうことがあります。成長期の骨や軟骨は大人と比べてデリケートなため、無理を続けると症状が長期化したり、将来的な関節の問題につながったりする恐れがあります。
大阪市北区・梅田のほしやま整形外科医院では、スポーツ医の資格を持つ院長がお子様の膝の状態を丁寧に診察しています。お子様の膝の痛みが気になる場合は、自己判断で様子を見ず、お早めにご相談ください。
こんな症状はありませんか?
- 運動中や運動後に膝の下あたりが痛むと訴える
- 膝のお皿の下に出っ張りができて押すと痛がる
- 走ったりジャンプしたりした後に膝が痛くなる
- 夜間に膝の痛みを訴えることがある
- 膝の痛みで練習を休むことが増えた
- 痛みが数週間以上続いているが原因がわからない
お子様の膝が痛む原因
成長期の骨と筋肉のアンバランス
成長期には骨が急速に伸びますが、筋肉や腱の成長はそれに追いつかないことがあります。このアンバランスによって、骨と腱の付着部に過剰な引っ張る力がかかり、痛みが生じやすくなります。特に膝のお皿(膝蓋骨)の下にある脛骨粗面(けいこつそめん)は、成長期に負荷が集中しやすい部位です。
スポーツによるオーバーユース
走る・跳ぶ・蹴るといった動作の繰り返しは、成長期のお子様の膝に大きな負担をかけます。練習量が多い場合や、複数のスポーツを掛け持ちしている場合は、膝まわりの腱や骨端部に炎症や損傷が起こりやすくなります。
外傷
スポーツ中の接触プレーや転倒で膝をひねった場合、靭帯や半月板を損傷することがあります。成人と同様の怪我に加えて、成長期特有の骨端線(成長線)の損傷にも注意が必要です。
いわゆる「成長痛」
夕方から夜間にかけて膝のまわりに痛みを訴え、翌朝にはケロッとしているというパターンが典型的です。医学的には明確な病名ではなく、レントゲンや検査でも異常が見つからない場合に使われる呼び名です。多くは一過性で心配のないものですが、痛みが長引いたり運動時に症状が強くなったりする場合は、別の原因が潜んでいる可能性があります。
考えられる病気
オスグッド・シュラッター病
成長期の膝の痛みとして最も多い疾患の一つです。太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)が膝蓋腱を通じて脛骨粗面を繰り返し引っ張ることで、骨端部に炎症や微細な剥離が起こります。10~15歳の男子に多く、サッカーやバスケットボールなど走る・跳ぶ動作の多い競技で発症しやすい傾向があります。
離断性骨軟骨炎
関節面の軟骨とその下の骨の一部が壊死して剥がれていく疾患です。膝関節では大腿骨の内側に好発します。初期には運動時の漠然とした痛みが主症状ですが、進行すると骨軟骨片が関節内に遊離して、引っかかりやロッキング(急に膝が動かなくなる状態)を起こすことがあります。早期発見が治療の鍵です。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
膝のお皿の下にある膝蓋腱に炎症が起きる疾患です。バレーボールやバスケットボールなどジャンプ動作を繰り返す競技に多く見られます。成長期のお子様にも発症することがあり、オスグッド病との鑑別が必要になる場合もあります。
膝蓋骨脱臼
10~20代の女子に比較的多い疾患で、膝のお皿が外側にずれて脱臼します。ジャンプの着地や方向転換の際に発症することが多く、繰り返す場合は反復性膝蓋骨脱臼として治療が必要になることもあります。
お子様の膝の痛みの検査
レントゲン検査
骨端線(成長線)の状態や、脛骨粗面の変化、骨折の有無を確認します。成長期特有の骨の構造を考慮して評価する必要があります。
MRI検査(近隣の画像診断クリニックで実施)
離断性骨軟骨炎の早期発見や、半月板・靭帯の損傷の評価にはMRIが欠かせません。レントゲンでは異常が見つからない段階でも、MRIで病変を発見できることがあります。
エコー検査
膝蓋腱の炎症やオスグッド病に伴う骨端部の変化をその場で確認できます。被ばくがないため、お子様にも安心して受けていただける検査です。
お子様の膝の痛みの治療
お子様の膝の痛みは、疾患の種類と重症度に応じた対応が大切です。当院では、検査結果と競技内容を踏まえて、スポーツ活動の制限範囲や復帰の目安も含めて親御様に丁寧にご説明しています。
リハビリテーション
ストレッチや筋力強化で膝まわりのバランスを整えることが基本の治療です。成長期のお子様に適した負荷量で、理学療法士が個別に対応しています。スポーツ復帰に向けた段階的なプログラムもご相談いただけます。
スポーツ活動の調整
痛みの程度や疾患に応じて、練習量の調整や一時的な休止をご提案する場合があります。「何をどこまでやって良いのか」を具体的にお伝えすることで、お子様も親御様も安心して取り組んでいただけるようにしています。
装具治療
オスグッド病に対する膝バンドや、膝蓋骨の不安定性に対するサポーターなど、症状に応じた装具を処方することがあります。練習を続けながら痛みを軽減させる手段として活用します。
手術が必要な場合
離断性骨軟骨炎が進行して骨軟骨片が遊離している場合や、反復性膝蓋骨脱臼など、手術が必要と判断した場合は連携する基幹病院へご紹介しています。術後のリハビリは当院で対応可能です。