再生医療(PRP療法)とは

PRP療法は、患者様ご自身の血液から抽出した血小板を豊富に含む成分を、損傷した組織に注入する治療です。血小板には傷ついた組織の修復を促す成長因子が多く含まれており、この自己治癒力を活用して、炎症の抑制や組織の再生をサポートします。
ご自身の血液を使用するため、アレルギー反応や感染症のリスクが極めて低い治療です。プロスポーツ選手が活用していることでも知られており、海外では幅広い関節疾患の治療に取り入れられています。
大阪市北区・梅田のほしやま整形外科医院では、PFC-FDによるバイオセラピー、GPSⅢ、APSの3種類をご用意しています。3種類を揃えている施設は限られており、患者様の病態や費用のご希望に合わせて選択できる体制を整えています。
当院で受けられる3種類の治療
PFC-FD(バイオセラピー)
血液から抽出した成長因子をフリーズドライ加工した製剤です。細胞を含まないため、厳密には「再生医療」ではなく「バイオセラピー」に分類されます。保存が容易で、採血から約3週間後に注入します。膝以外の部位にも使用可能です。
GPSⅢ(再生医療)
血液から血小板由来の成長因子を抽出した製剤で、採血当日に注入が可能です。APSの製造過程で得られる中間生成物にあたります。関節内だけではなく、腱や靭帯などの関節外の組織にも使用できます。厚生労働省への届出に基づいて実施する再生医療です。
APS(再生医療)
GPSⅢをさらに精製して、炎症を引き起こす成分を取り除き、抗炎症成分と成長因子を高濃度に抽出した製剤です。「次世代PRP」とも呼ばれており、3種類の中で最も高い効果が期待されます。採血当日に注入可能で、主に膝関節内への注入に使用します。厚生労働省への届出に基づいて実施する再生医療です。
3種類の比較
| PFC-FD | GPSⅢ | APS | |
|---|---|---|---|
| 分類 | バイオセラピー | 再生医療 | 再生医療 |
| 部位 | 制限なし | 関節外 / 関節内 | 膝関節 |
| 採血量 | 30ml(1部位) | 30~60ml | 60ml |
| 治療開始日 | 採血より約3週間後 | 採血日 | 採血日 |
| 料金(税込) | 150,000円~ | 110,000円~ / 220,000円~ | 385,000円 |
※自費診療(保険適用外)です
こんな方におすすめです
- ヒアルロン酸注射や鎮痛剤で膝の痛みが改善しない
- 変形性膝関節症の進行を遅らせたい
- 手術をせずに膝の痛みを改善したい
- 膝の炎症が慢性的に続いている
- スポーツによる腱や靭帯の損傷からの回復を促したい
- ご自身の血液を使った安全性の高い治療を受けたい
PRP療法で効果が期待できる疾患
PRP療法は膝関節だけではなく、全身の様々な運動器疾患に対して効果が期待されています。
- 膝:変形性膝関節症、半月板損傷、膝蓋下脂肪体炎、膝蓋靭帯炎、内側側副靭帯損傷、腓腹筋肉離れ
- 肩:腱板損傷
- 肘:上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、内側側副靭帯損傷
- 股:股関節唇損傷、ハムストリングス肉離れ
- 足:アキレス腱断裂、アキレス腱周囲炎、足関節靭帯損傷、足底腱膜炎
PRP療法で期待できる効果
炎症の抑制
成長因子や抗炎症成分の働きによって、関節内の慢性的な炎症を抑える効果が期待できます。特にAPSは炎症を引き起こす成分を除去した製剤のため、抗炎症作用が高いとされています。
組織の修復促進
損傷した軟骨や腱、靭帯などの組織の修復を促す効果が期待できます。変形の進行を遅らせる可能性も報告されています。
痛みの軽減
炎症の抑制と組織の修復が進むことで、膝の痛みの軽減が期待できます。ただし、効果の現れ方には個人差があり、数週間かけて徐々に改善していくケースが多くなります。
当院の再生医療の特徴
3種類から選べる体制
PFC-FD(バイオセラピー)、GPSⅢ、APSの3種類を揃えているため、病態の種類や重症度、費用面のご希望に応じて選んでいただけます。どの治療が適しているかは検査結果をもとにご説明した上で、患者様と相談しながら決めていきます。
MRIの結果にもとづく治療判断
再生医療を行う前に、MRIで膝の内部の状態を詳しく確認しています。骨髄浮腫や滑膜炎の有無、軟骨の残存量などを把握した上で、再生医療が適切なタイミングかどうかを判断します。
他の治療との組み合わせ
再生医療を単独で行うだけではなく、リハビリテーションやラジオ波治療(Coolief:クーリーフ)と組み合わせることで、より効果的な改善を目指しています。再生医療で炎症を抑えて組織の修復を促しながら、リハビリテーションで筋力を回復させていくという進め方が当院の基本です。
治療の流れ
STEP01
診察・検査
膝の状態を診察とMRI検査で確認して、再生医療の適応を判断します。3種類の治療の違いを丁寧にご説明した上で、患者様のご希望もお聞きしながら使用する製剤を決定します。
STEP02
採血
治療に必要な量(30~60ml)の血液を採取します。採血自体は通常の採血と同様で、数分で完了します。
STEP03
製剤の作製
採取した血液から、専用の装置を用いて成長因子や抗炎症成分を抽出します。GPSⅢとAPSは採血当日に製剤が完成して注入可能となります。PFC-FDはフリーズドライ加工を行うため、採血から約3週間後に注入の日程を設定します。
STEP04
注入
製剤を膝関節内または患部に注入します。注入自体の所要時間は数分程度です。注入後はそのままお帰りいただけます。
STEP05
経過観察
注入後は定期的にご来院いただき、痛みの変化や膝の状態を確認しながら、リハビリテーションとの組み合わせを含めた今後の治療方針を調整していきます。
注意事項
- 自費診療(保険適用外)です
- 効果には個人差があります
- 注入後、一時的に痛みや腫れが出ることがあります(通常は数日で軽減します)
- 血液疾患のある方、抗凝固薬を服用中の方は事前にお知らせください