特発性膝関節骨壊死症とは

特発性膝関節骨壊死症とは

特発性膝関節骨壊死症は、膝関節を構成する大腿骨(太ももの骨)の一部で血流が途絶えて、骨の組織が壊死(えし)を起こす疾患です。「特発性」とは、はっきりとした原因がわからないという意味で、明らかな外傷やステロイドの使用歴がなくても発症します。

60歳以上の女性に多く見られ、突然の強い膝の痛みで発症するのが特徴です。変形性膝関節症と症状が似ているため混同されやすいのですが、治療のアプローチが異なるため、正確な鑑別が重要になります。

初期の段階ではレントゲンに異常が映らないことが多く、MRIでなければ診断が困難です。大阪市北区・梅田のほしやま整形外科医院では、ほぼすべての患者様にMRI検査をご案内しているため、この疾患の早期発見につなげることが可能です。

こんな症状はありませんか?

  • ある日突然、膝に強い痛みが出た
  • 夜間や安静時にも膝がズキズキと痛む
  • 体重をかけると膝の内側に強い痛みが走る
  • きっかけがないのに急に膝が痛くなった
  • 変形性膝関節症と言われて治療を続けているが改善しない
  • レントゲンでは異常がないと言われたのに痛みが強い

特発性膝関節骨壊死症の原因

骨への血流障害

大腿骨の関節面付近で局所的に血流が途絶えることで、骨の組織が壊死を起こします。なぜ血流が途絶えるのかは完全には解明されていませんが、加齢に伴う微小血管の変化や、骨にかかる繰り返しの負荷(微小骨折の蓄積)が関与していると考えられています。

骨粗鬆症との関連

骨密度が低下している方に発症しやすい傾向が報告されています。骨がもろくなっている状態では、日常的な荷重でも骨の内部に微小な損傷が蓄積しやすく、それが壊死のきっかけになる可能性が指摘されています。

変形性膝関節症との違い

特発性膝関節骨壊死症は、変形性膝関節症と症状が重なる部分が多く、鑑別が重要な疾患です。

痛みの出方が異なる

変形性膝関節症は動き始めに痛みが出て、歩いているうちに和らぐ傾向があります。一方、本疾患では突然の強い痛みで発症して、安静時や夜間にも痛みが続くことが特徴です。「きっかけがないのに急に膝が痛くなった」という訴えが多く見られます。

レントゲンだけでは見つからない

変形性膝関節症はレントゲンで関節の隙間の狭さや骨棘(骨のとげ)を確認できますが、本疾患の初期にはレントゲン上で異常が現れません。MRIで骨の内部を確認してはじめて壊死の領域が描出されます。レントゲンで「異常なし」と言われた方でも、痛みが強い場合にはMRIで詳しく調べることが大切です。

特発性膝関節骨壊死症の検査

レントゲン検査

進行した段階では、大腿骨の関節面に陥没や変形が確認できることがあります。ただし、初期の段階ではレントゲンに異常が映らないため、レントゲンだけで本疾患を否定することはできません。

MRI検査(近隣の画像診断クリニックで実施)

本疾患の診断において最も重要な検査です。壊死が起きている領域を早期の段階から描出でき、壊死の範囲や進行度を正確に評価できます。当院ではほぼすべての患者様にMRI検査をご案内しており、変形性膝関節症として治療を受けていた方で、実は本疾患が原因だったというケースの発見にもつながっています。

エコー検査

関節内の水の貯留や滑膜の炎症の有無を確認する補助的な検査として活用しています。壊死そのものの診断にはMRIが必要ですが、膝の炎症の状態を把握する上で役立ちます。

骨密度検査

本疾患は骨粗鬆症との関連が指摘されているため、骨密度の評価もあわせて行うことがあります。当院ではDXA法による骨密度測定に対応しています。

特発性膝関節骨壊死症の治療

治療方針は、壊死の範囲や進行度、症状の程度によって異なります。壊死の領域が小さく、関節面の陥没が生じていない段階であれば、手術をせずに治療を進められる場合もあります。

薬物療法・注射

痛みのコントロールとして、内服薬や湿布を使用します。関節内の炎症が強い場合には、ステロイド注射やヒアルロン酸注射で症状の緩和を図ることもあります。

リハビリテーション

膝への荷重を軽減しながら、膝まわりの筋力を維持するためのリハビリテーションを行います。壊死した骨に過度な負荷がかからないよう配慮しつつ、歩行能力の維持を目指すプログラムを組み立てています。

再生医療(PRP療法)

壊死した骨組織の修復を促す目的で、再生医療が選択肢となる場合があります。壊死の範囲や進行度を検査で確認した上で、適応を判断します。

装具治療

膝の荷重を分散させる装具やインソールを使用して、壊死部分への負担を軽減する方法です。日常生活での痛みを和らげながら治療を進める際に活用します。

手術が必要な場合

壊死の範囲が広い場合や、関節面の陥没が進行して痛みが改善しない場合には、骨切り術や人工膝関節置換術などの手術を検討することがあります。その際は連携する基幹病院へご紹介しており、術後のリハビリは当院で対応可能です。

膝の痛みが急に強くなった方へ

特に60歳以上の女性で、きっかけなく突然膝に強い痛みが出た場合は、本疾患の可能性を考慮する必要があります。レントゲンで異常が見つからなかったとしても、MRIで壊死が確認されることは珍しくありません。

「変形性膝関節症の治療を続けているが、なかなか良くならない」という方も、一度MRIで詳しく調べてみることで、痛みの本当の原因が見つかる場合があります。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

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