半月板損傷とは

半月板は、膝関節の中で大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間に挟まれている三日月形の軟骨組織です。内側と外側に一つずつあり、膝にかかる衝撃を吸収するクッションの役割と、関節の安定性を保つ役割を担っています。
半月板が損傷すると、膝の痛み、腫れ、引っかかり、可動域の制限など様々な症状が現れます。若い方ではスポーツ中の外傷がきっかけとなることが多く、中高年の方では加齢による変性が進んだ半月板に日常的な負荷がかかって断裂に至るケースも見られます。
大阪市北区・梅田のほしやま整形外科医院では、MRIで断裂の種類や範囲を正確に評価した上で、手術をせずに治療できるかどうかを含めて方針をご提案しています。
こんな症状はありませんか?
- 膝を曲げ伸ばしする時に引っかかる感じがある
- 膝が急に動かなくなることがある(ロッキング)
- スポーツ中に膝をひねってから痛みが続いている
- 膝を深く曲げると痛い
- しゃがんだ姿勢から立ち上がる時に痛みが走る
- 膝に水が溜まりやすくなった
半月板損傷の原因
スポーツ外傷
サッカー、バスケットボール、テニスなどで膝をひねる動作や、ジャンプの着地、急な方向転換の際に半月板が裂けることがあります。前十字靭帯(ACL)損傷に合併して半月板が損傷するケースも多く見られます。
加齢による変性断裂
中高年の方では、長年の使用によって半月板が少しずつもろくなり、はっきりした外傷がなくても日常の動作の中で断裂が生じることがあります。しゃがみ込みや正座などの動作がきっかけになることもあります。
繰り返しの負荷
特定のスポーツや動作で膝に繰り返し負荷がかかることで、半月板に小さな損傷が蓄積して、やがて断裂に至ることもあります。
半月板損傷の種類
半月板の断裂は、裂け方によっていくつかの種類に分類されます。
縦断裂
半月板の長軸に沿って裂ける形です。大きな縦断裂が進行すると、断裂した部分が関節の隙間に入り込んでロッキング(急に膝が動かなくなる状態)を起こすことがあります。これを「バケツ柄断裂」と呼びます。
横断裂
半月板を横方向に裂ける形で、加齢に伴う変性断裂に多く見られるパターンです。
水平断裂
半月板が上下の層に分かれるように裂ける形です。変性を背景として中高年の方に見られることが多い断裂です。
複合断裂
複数の方向に裂けている断裂です。損傷が広範囲に及んでいる場合に見られます。
半月板損傷の検査
徒手検査
マクマレーテストやアプレーテストで、半月板の損傷に特徴的な痛みやクリック音の有無を確認します。内側と外側のどちらの半月板が損傷しているかの見当をつける上で有用な検査です。
マクマレーテスト
仰向けの状態で膝を深く曲げて、すねを回旋させながらゆっくりと膝を伸ばしていく検査です。この動作で膝の内側や外側に痛みやクリック音が生じた場合、半月板の損傷が疑われます。
アプレーテスト
うつ伏せの状態で膝を90度に曲げて、すねに圧迫を加えながら回旋させる検査です。圧迫時に痛みが出る場合は半月板損傷が、引き離した時に痛みが出る場合は靭帯損傷が疑われます。
レントゲン検査
半月板そのものはレントゲンには映りませんが、関節の隙間の狭さや骨の変形など、半月板損傷の背景にある変化を確認する目的で撮影します。
MRI検査(近隣の画像診断クリニックで実施)
半月板損傷の診断において最も重要な検査です。断裂の種類・範囲・位置を詳細に把握でき、手術が必要かどうかの判断に直結します。半月板には血流が届く部分と届かない部分があり、断裂の位置によって修復力が異なります。MRIでこうした情報を確認することで、治療方針を正確に判断できます。
エコー検査
関節内の水の貯留や炎症の有無を確認する補助的な検査として活用しています。半月板の損傷が疑われる際の初期評価にも役立ちます。
半月板損傷の治療
半月板損傷の治療方針は、断裂の種類・位置・大きさ、症状の程度、年齢や活動レベルを総合的に考慮して判断します。小さな断裂やロッキングを伴わないケースでは、手術をせずに治療を進められることも少なくありません。
リハビリテーション
膝まわりの筋力強化と関節の安定性向上が治療の基本です。特に大腿四頭筋やハムストリングスの強化によって、半月板への負荷を軽減して症状の改善を目指します。当院の理学療法士が手技を中心に、症状の段階に合わせたプログラムで対応しています。
薬物療法・注射
痛みや炎症が強い場合には、内服薬や湿布で症状を管理しながらリハビリテーションを進めます。関節内の炎症に対してはヒアルロン酸注射やステロイド注射も検討します。
再生医療(PRP療法)
半月板の損傷部位やその周辺の組織の修復を促す目的で、再生医療を検討する場合があります。リハビリテーションとの併用で、組織の回復をサポートするアプローチとして活用しています。
手術が必要な場合
ロッキングを繰り返す場合や、大きなバケツ柄断裂など、手術が必要と判断した場合は連携する基幹病院へご紹介しています。手術には断裂した部分を縫い合わせる「半月板縫合術」と、損傷した部分を取り除く「半月板切除術」があり、断裂の状態によって選択されます。術後のリハビリは当院で対応可能です。
半月板損傷が気になる方へ
膝の引っかかりやロッキング、スポーツ後の腫れや痛みが続いている場合は、半月板損傷の可能性があります。変性による断裂は外傷がなくても進行することがあるため、中高年の方で膝の違和感が続いている場合も注意が必要です。
半月板はMRIでなければ正確な評価が難しい組織です。症状が気になる方は、お早めにご相談ください。