膝の可動域が制限される症状について

膝をまっすぐ伸ばせない、深く曲げることができない。このように膝の動く範囲(可動域)が狭くなる状態は、日常生活に大きな支障をきたします。歩く時に膝が伸びきらないと足を引きずるような歩き方になり、正座やしゃがみ込みができなくなると生活に影響を及ぼします。
膝が伸びにくい場合と曲がりにくい場合では原因が異なることも多く、適切な検査で原因を見極めることが大切です。大阪市北区・梅田のほしやま整形外科医院では、MRIを用いた画像検査とリハビリテーションを軸に、可動域の改善に向けた治療に取り組んでいます。
こんな症状はありませんか?
- 膝をまっすぐ伸ばしきることができない
- 歩く時に膝が少し曲がったままになる
- 膝を深く曲げようとすると途中で止まる
- 正座ができなくなった
- しゃがみ込む動作がつらい
- 朝起きた時に膝がこわばって動かしにくい
膝が伸びない・曲がらない原因
関節拘縮
痛みをかばって膝をあまり動かさない状態が続くと、関節を包む組織(関節包)や靭帯が硬くなって、膝の動く範囲が徐々に狭くなっていきます。これを関節拘縮と呼びます。特に膝を伸ばす方向の制限が起こりやすく、歩行にも影響が出ます。
関節内の物理的な障害
半月板が断裂して関節の隙間に挟まる(嵌頓)と、膝が急に動かなくなることがあります。また、軟骨や骨のかけらが関節内に遊離して挟まることで、伸展や屈曲が妨げられるケースもあります。
関節の変形
変形性膝関節症が進行すると、骨棘(骨のとげ)が形成されたり関節の形そのものが変わったりして、物理的に膝が伸びにくくなったり曲がりにくくなったりします。長期間にわたって進行した場合に見られることが多い症状です。
関節内の腫れ・水の貯留
関節内に水が溜まっている状態では、膝の内圧が上がって動きが制限されることがあります。特に曲げる方向の制限が出やすく、膝のまわりに張りや重さを感じることが多くなります。
考えられる病気
変形性膝関節症
可動域制限の原因として最も多い疾患です。軟骨のすり減りに伴う骨棘の形成や、関節拘縮の進行によって、膝が伸びにくくなったり正座ができなくなったりします。進行度によって治療の選択肢は異なります。
半月板損傷
損傷した半月板の断片が関節に嵌頓すると、急に膝が動かなくなるロッキング症状(急に膝が動かなくなる状態)が起こります。自然に解除される場合もありますが、繰り返す場合は治療が必要です。
関節リウマチ
関節内の滑膜に慢性的な炎症が起きることで、関節の破壊や拘縮が進行して、膝の可動域が制限されることがあります。両膝に症状が出たり、手指の関節にもこわばりがあったりする場合は、リウマチの可能性を考慮する必要があります。
離断性骨軟骨炎
関節面の軟骨と骨の一部が剥がれ落ちて遊離体となり、関節の動きを妨げることがあります。膝の引っかかりやロッキングを伴う場合には、この疾患が背景にある可能性があります。
膝が伸びない・曲がらない時の検査
レントゲン検査
骨の変形や骨棘の有無、関節裂隙(関節の隙間)の狭小化を確認します。変形がどの程度進行しているかを評価する基本的な検査です。
MRI検査(近隣の画像診断クリニックで実施)
半月板の嵌頓や遊離体の有無、関節包の肥厚、靭帯の状態など、可動域制限の原因を詳しく調べることができます。レントゲンでは骨の変化しか確認できないため、MRIで軟部組織の状態を把握することが治療方針の判断に欠かせません。
エコー検査
関節内の水の貯留や滑膜の炎症をその場で確認できます。膝が曲がりにくい原因に水の貯留が関わっている場合は、エコーで量や分布を確認して治療方針の参考にしています。
膝が伸びない・曲がらない時の治療
可動域の改善には、原因への対処とリハビリテーションを並行して進めることが大切です。当院では、検査で原因を確認した上で、以下の治療を組み合わせながら対応しています。
リハビリテーション
可動域を回復させるためのストレッチや関節可動域訓練が治療の中心となります。硬くなった関節包や筋肉を徐々にほぐして、膝の動きを取り戻すことを目指します。当院の理学療法士が手技を中心に、無理のない範囲で段階的に進めていきます。
薬物療法・注射
痛みや炎症が可動域制限の原因になっている場合は、内服薬や湿布で痛みを和らげながらリハビリテーションに取り組みます。関節内の水が多い場合には、穿刺で水を抜いた上でヒアルロン酸注射やステロイド注射を行うことも検討します。
再生医療(PRP療法)
関節内の炎症が慢性的に続いて拘縮が進んでいる場合には、再生医療による炎症の抑制も選択肢の一つとなります。炎症をコントロールした上でリハビリテーションを進めることで、可動域の改善がより得られやすくなる場合があります。
手術が必要な場合
遊離体や半月板の嵌頓が原因で可動域が制限されている場合や、リハビリテーションや注射で十分な改善が得られない場合には、手術を検討することもあります。その際は連携する基幹病院へご紹介しており、術後のリハビリは当院で対応可能です。